うみハマ展 海洋系クリエイターのグループ展を主催、深海生物イラストレーターおがわゆかこさん

うみハマ展 海洋系クリエイターのグループ展を主催、深海生物イラストレーターおがわゆかこさん

偏愛と日常を届けるインタビューメディア「aboutalk」、今回は2019年11月5日~11月10日に大阪市阿倍野区で「うみハマ展」を開催される海洋生物イラストレーターの おがわゆかこさんにお話を伺いました。

おがわゆかこ

和歌山県出身、大阪府在住、グラフィックデザイナー兼イラストレーター、一児の母。世界に1つのお魚デザイン*おととごと。の屋号で活動中。
会社員として魚箱のラベルデザイナーを経験、退職後はフリーデザイナーに。
ホームページ上でオリジナル魚雑貨の製作・販売などを行っている。

ツイッター…(@ototogoto)
ホームページ…https://ototogoto.com/
うみハマホームページ…https://peraichi.com/landing_pages/view/umihama

うみハマ~深い海にハマる展~とは

–「来月、うみハマ展を開催するんです」と教えて下さった おがわさん。うみハマ展とはどんな展示会なのだろう

2019年11月5日~10日に大阪市阿倍野区、美章園駅近くのギャラリーカフェ&雑貨SAKURAで海洋生物を題材にものづくりをしているクリエイターを一堂に集めた展示会です。

5日~9日が展示会、最終日の11月10日は、深海絵本の読み聞かせ&トークショーを開催します。

科学館などのイベントで、深海をテーマにしたものは本当に少なくて。無いなら開催しちゃえ!ということで、うみハマ展を開催する運びとなりました。

深海を愛でるオンラインコミュニティ

このイベントを開催するきっかけとなったのは、深海を愛でるオンラインコミュニティなんです。

情報交換の場を作るような感じで、深海ファンの方が集まるオンラインのコミュニティを作ったところ、40人ほどのファンの方が集まって下さいました。

ハンドメイド作家などのクリエイターさんの集まりができたんです。
皆さん本当に個性があるんですよね。アクセサリーを作る方もいれば、絵を描く方もいる。

せっかくクリエイターさんが集まったんだから、集まってグループ展をしようよ。という話になりました。コミュニティ内でも参加してみたい人がいたので、今回のうみハマ~深い海にハマる展~を企画することができました。

展示作品の一例

一人じゃ限界を感じてしまう、仲間の大切さ

フリーランスの方に多いと思うんですけど、一人で制作活動をしていると、限界を感じてしまう時があるんです。行き詰まってしまう方も多くて。

だからコミュニティを作ってみたら相乗効果があるんじゃないか。ということで2019年4月にコミュニティができました。

深海に特化した場がなかなか無いんですよね。 だからこそ、一緒にできるということが嬉しくて。シーラカンスに寄生している寄生虫にスポットを当てているような方もいます。そんなマニアックな人たちの集まりなんですよ。

今回のうみハマ展は大阪開催なので、参加される方は関西にお住まいの方が多いんですが、東京都や長野県、愛知県にお住まいの方もいるんですよ。

展示作品の一例

深海生物に興味をもった本「へんないきもの」

–そんな深海生物に興味をもったキッカケは何だったのだろう

早川いくをさんの「へんないきもの」という本との出会いでした。そこからどんどん深海生物にハマっていくんです。千葉県で開催された深海生物展を見に行ったこともありました。

ちなみに、チョウチンアンコウの生態ってご存知ですか?

オスはメスの10分の1くらいのサイズですごく小さいんですよ。そのオスはメスを見つけると、メスの体に噛みつくんです。

噛みついたまま、メスと一体化するんですよ。生きるための栄養はメスからもらう。オスは生殖活動をするだけになります。まさに、ヒモ人生の見本ですよね笑。

環境に合わせて生きるための知恵

私は三脚魚(オオイトヒキイワシ)が好きなんです。ちょうど自分のロゴにもしています。
長く伸びた尾ビレと左右の腹ビレの鰭条(※1)で海底に立っているんです。

※1 鰭条(きじょう) 魚のヒレを支える線状の組織

そのまま海底で静止して餌が流れてくるのを待つ。たまに自分が流されてしまうこともあるんですが、次にたどり着いた場所でまたヒレを広げて海底で静止する。

与えられた環境に流されて馴染む、というポテンシャルを持っているんです。無理に流れに逆らわない。カッコいいですよね。

そうやって、生きづらい世界にいても、生きるための知恵でうまくやっていくところに、魅力を感じるところもあります。

おがわさんのロゴマーク、オオイトヒキイワシが描かれている

リアルを求めてグッズを自作する

深海生物の虜になってしまったんですけど、水族館などで売っている深海生物グッズってかわいいキャラクターにデフォルメされていることが多いんです。

私はリアルなグッズが欲しかったんで、自分で作ることにしました。それを売ってみたら、買って下さる方がいて。また同じような趣味を持った方とつながりができることで、お互いの趣味をわかり合えるようになりました。

かつては会社員として、魚箱のラベルデザインをしていました。発泡スチロールの箱に貼ってある魚のイラストや「鮭」とか「○○水産」のような文字のラベルです。

その会社を退職した後、アクセサリー作家やウェルカムボード制作などにも挑戦したんですけど、なかなか厳しくて。

友人からは「魚の話をしているときが一番楽しそうだね」と言われてしまいました。

次の世代に、この面白さを伝えたい

–深海生物が大好きな おがわさん、うみハマ展を通して伝えたいこととは?

イベントの主催者として準備していく中で感じることがありました。参加して下さる方の実績になったり、キャリア作りになったり、活動の幅が広がって、次の一歩に繋がるといいな、と思うんです。

そのはじめの一歩をお手伝いできるとしたら、本当に嬉しいんですよ。

また、小さなお子さんも深海や深海生物に興味を持ってもらえたらと思って、チームくじら号の絵本の読み聞かせイベントも開催します。

NPO法人チームくじら号は「海洋・極限環境生物圏領域上席研究員」の かとう機関長と、「地球情報基盤センター地球情報技術部技術副主幹」の さとう船長、海に関わる仕事をしていらっしゃるお二人が、今回、海洋・深海の生態系の不思議を絵本を通して教えてくださいます。

子どもたちが、深海生物と出合えるチャンスをたくさん作って、生態の楽しさを伝えていきたいんですよね。知ると興味が出てくるのが深海生物なんです。

知らないままじゃもったいない。是非、うみハマ~深い海にハマる展~にお越しください。一緒に深い深い海にハマっていきましょう!

インタビューを終えて

深海生物といわれてもピンとこなかったのが正直なところでした。ただ、チョウチンアンコウの話や、オオイトヒキイワシの話を伺ったあとは、深海生物の不思議さにグイグイ引き込まれてしまっています。

始めは情報交換のコミュニティ作り、そこからグループ展として「うみハマ展」を開催することになったとか。発表する場が無いなら自分たちで作ればいいじゃない。という勢いには、深海生物への愛をたっぷり感じることができました。

お話を聞かせて頂き、ありがとうございました。
お近くの皆さま、是非会場に足を運んでみてはいかがでしょうか。

おがわゆかこ
ツイッター…(@ototogoto)
ホームページ…https://ototogoto.com/
うみハマホームページ…https://peraichi.com/landing_pages/view/umihama

うみハマ展 イベント概要

イベント名うみハマ ~深い海にハマる展~
開催期間2019年11月5日(火)~10日(日)
営業時間11:00~17:00(※最終日は16:00まで)
会場名ギャラリーカフェ&雑貨SAKURA
住所大阪府大阪市阿倍野区美章園3-2-2
アクセスJR阪和線「美章園駅」徒歩3分
イベントホームページhttps://peraichi.com/landing_pages/view/umihama
お願いカフェでの展示のため、ワンオーダーをお願いします

写真協力…おがわゆかこさん
取材協力 LOOKME(https://lp.lookme.me/)
取材・文…スズキヒデノリ(@acogale)